RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO 2日目

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2日目は夜まで雨がずっと降り続いた。地面はぐちゃぐちゃで沼地になっていたし、気温は20℃くらいでとても寒かった。正直、ライブが始まるまでは「なんでこの場所にいるんだろう」と思っちゃったりしたが、天候の憂鬱を吹き飛ばすようなライブ体験ばかりだった。

2日目のライブ

sumika @ RAINBOW SHANGRI-LA

雨が酷かったので屋根があるRAINBOW SHANGRI-LAでライブを観ることにした。sumikaというバンドは会場に入る数分前に知ったレベルだったが、ライブは満員で雨なのに外に人がはみ出しており、むちゃくちゃ盛り上がっていた。正直、曲にはあまりピンとは来なかったけど色んなジャンルの曲を続けざまに演奏してどんどん盛り上げていく様子を見て売れるのも当然だと思った。特に「Summer Vacation」はこんな横ノリのシティーポップまでできるというのが衝撃だった。

フジファブリック @ RAINBOW SHANGRI-LA

雨が降っているのでほとんど動かずそのままフジファブリックを観た。フジファブリックは大学生のときにハマったがボーカルが代わってからは熱心には聴けていなかった。志村さんボーカルへの思い入れが強かったし、山内さんボーカルを聴くことでガッカリしたくなかったから。でも実際一曲目「銀河」のイントロが鳴るとそんなことはどうでも良くなるくらい楽しかった。演奏はキレキレだし、何より山内さんの歌がうまい。全然違和感がないどころか、もう志村さんより良いんじゃないかと思ったりもした。「虹」で合唱が起こったとき、曲の最後でキーボードソロ、ギターソロが入るところは泣けて泣けてしょうがなかった。個人的に最高だったのは観客が「銀河」「虹」「Sugar!!」では合唱するのに「若者のすべて」では合唱せず聴き入っていたこと。ファンが信用できるというか、自分と同じような感性の持ち主ばかりで嬉しくなった。新体制での曲もライブで聴くとすごく良かったししっかり聴き込んでいなかったことを悔やんだ。これからはとりあえずアルバム「STAR」以降の曲を聴き込んでいこうと思う。

never young beach @ RED STAR FIELD

雨が降っている中、ご飯を食べながらネバヤンを観た。雨が降る可能性を考えずに作った晴れ曲満載のセットリストが最高だった。否応なしに体が動いてしまうような曲ばかりで、通りすがりの人もちょっと踊りながら歩いているのが見えてあ~~幸せだ~~~と思った。もう一回晴れた野外で観たい。

ZAZEN BOYS @ def garage

完全にキャパオーバーのデフガレージでZAZEN BOYSを観た。もはや人間業ではなかった。「Himitsu Girl’s Top Secret」で演奏を一旦止め、向井さんがお酒を飲んでいる間にメンバーが口でリズムを刻む。あまりに異様な光景に会場からは笑い声が出ていたが、だんだんとステージ上の気迫に圧倒されていき、そこからビシっともう一度音を合わせたときには思わず変な声が出てしまった。あんなことをやろうと思うのもやれるのもおかしい。文章では説明できないので下の動画を観てください。

さかいゆう feat. 福原美穂 SOLAR JAM @ BOHEMIAN GARDEN

予定では久保田利伸を観る予定だったが、この時点で結構疲れており、人混みがツラかったのでBOHEMIAN GARDENでのんびりすることにした。体力回復のためセイコーマートに行ってホットシェフのおにぎりを買って食べた。超美味しかった。セイコーマートは神。セブンイレブンでいい気になっていた自分が恥ずかしい。北海道民セイコーマートに感謝の気持ちをもっと述べてほしい。ツラいことがあったときにセイコーマートのことを思い出して元気を出してほしい。セイコーマートの写真を撮ってInstagramにアップしてほしい。ちなみにアイスも安くて美味い。そんなこんなで後ろの方でポンチョの上に座ってライブを観ていると一曲目「ストーリー」の名曲っぷりに思わず立ち上がってしまう。そのままさかいゆう福原美穂というとんでもない歌唱力の二人のハモリにうっとりしていたらライブが終わってしまった。ここで観なければ観るチャンスはなかったように思うので良いものを観た。MCでも言っていたが、久保田利伸さかいゆう福原美穂を被せるのは流石にあんまりだと思う。ファン層が全員被ってる。

Awesome City Club @ RAINBOW SHANGRI-LA

2日目21:00前には花火が上がる。ここからがライジングサンのラストスパート。最近気になっていたAwesome City Clubを観た。シティーポップで踊らせる的なバンドはたくさんいるけどその中でも抜群に楽曲とライブが良いと感じた。クラブミュージック的な背景を曲、演奏、盛り上げ方に感じるので自分として馴染みやすいのかもしれない。Awesome City Clubはみんなで踊る快楽性だけじゃなく、この喜びはいつか終わってしまうという切なさを何処かに感じさせるのがとても良い。ただ盛り上がるだけのバンドとは一線を画しているように思う。

Cornelius @ RED STAR FIELD

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今回の個人的な目玉。オープニングからしっかり観たかったのでAwesome City Clubを途中で抜け出してRED STAR FIELDへ。まずスクリーンが設置されていることにびっくりする。RED STAR FIELDは演出というよりはアーティストそのものの魅力を伝えるステージだと思っていたので意外だった。Corneliusのためだけにこれだけの設備を用意したことから気合いの入りようが伺える。スクリーンに映画「メッセージ」を思わせる円形の光が映し出され、バスドラの音で変形する。メンバーの影がスクリーンに投影されて「いつか / どこか」が始まると同時に幕が下りてテンションが一気にMAXになった。音と映像が完璧にシンクロしていることにも驚いたが、それ以上に驚いたのは音の良さ。野外であんなに完璧な音響でライブが聴けるとは思わなかった。ヘッドフォンで音楽を聴いているように左右からステレオで音が聴こえてトリップしてしまった。そしてあらきゆうこさんのドラムがすごい。そもそもCorneliusの楽曲はバンドで演奏することを考えて作られていない。それをむりやり人力で演奏してしかも寸分の狂いもなく映像と合わせるのだから並大抵の難易度ではない。半分あっけにとられながら観てしまった。「夢の中で」は音源ではほのぼのとした印象を受けるが、ライブではどこか禍々しく不安になるような音で、そのような音源との違いがどの曲も面白かった。あっという間に最後の曲「あなたがいるなら」になってしまった。「あなたがいるなら」は今年一番聴いている曲である。この曲後半の音の粒が耳に注ぎ込まれるような感覚がライブだとさらに増強されて脳だけ異次元に飛ばされたみたいだった。もっともっと長い時間観たいし、秋のワンマンライブが楽しみでたまらない。

きのこ帝国 @ def garage

D.A.N.と被っていたが、夜に見るきのこ帝国が魅力的過ぎてデフガレージに移動した。新旧の名曲を全部やるセットリストには大満足。ロックインジャパンではちょっと玄人向けのセトリだったのでどうなることやらとおもったが、ちゃんと夜っぽい曲を揃えてきていて最高。23:00過ぎにライブで「クロノスタシス」を聴いたという事実でニヤニヤしてしまった。「外は寒いですが、私たちは体があたたまるようなバンドじゃないんです。皆さんの体を冷やします」というMCに痺れてしまった。正直30分じゃ足りない。深夜の野外ステージで1時間くらい延々ノイズギターを掻き鳴らしたりしてほしい。

NOT WONK @ def garage

マキシマムザホルモンSuchmosの裏というとんでもないタイムテーブルだったが、NOT WONKを選ぶ。生まれて初めてライブでダイブする人の気持ちがわかった。深夜0:00過ぎに足と体が勝手に動き出して止まらなかった。そんなライブだった。今まではサークルモッシュやダイブの意味がわからなかった。盛り上がる箇所まで曲が進むと予定調和的に観客が走り回ったり肩に乗ったりするのが音楽を聴いているように見えなかった。しかしNOT WONKは違う。曲、ライブ、MC、どれをとっても予定調和が1つもない。どうしてそんな構成になるんだと言いたくなるような曲、荒削りだけど気持ちいい轟音、半分くらいマイクを通っていないMCが「ああ、こんなロックバンドが観たかったんだ」と思わずにはいられなかった。一回もライブを観ることができなかったandymori(特に初期)を観ているかのようだった。

くるり @ SUN STAGE

完全に疲れ切ってタイラクルでくるりが始まる3:30まで休憩した。ここで飲んだジンジャーソイラテが冷えた体に染みた。去年はレインボーあたりで寝てたら朝日が上がってたという失敗があったので、今回はきちんとサンステに向かってくるりのライブを全部観た。くるりを観るのは初めてだったが、ファンファンさんのコーラスが絶妙でめちゃくちゃ良かった。また、ドラムも力強くて昔の曲が新鮮に聴こえた。くるりで一番すきな「ワールズエンド・スーパーノヴァ」が聴けて嬉しかったし、「黒い扉」の間奏の岸田さんのギターはオルタナロック魂を感じて早朝なのに興奮して体がクネクネしてしまった。雨の日の朝に野外で「ばらの花」を聴くなんてこれが最初で最後だろう。そしてやっぱり最後の「ロックンロール」はグッときた。こんな曲を聴くと全部大丈夫な気がしてくる。朝日は雲で拝めなかったけど大変なライジングサンの最高の締めだった。

ベストアクトは非常に悩みますが、フジファブリックで。

まとめ

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今回は本当に雨がツラかった。でもこんな状況でも楽しめるのだからライジングサンは何か夢の国のようなパワーが有ると思う。よほどのことがない限り毎年行くと思うし、毎回100%楽しめてしまう気がする。あと言いたいのはRED STAR FIELDの素晴らしさ。ライジングサンの魅力がこのステージに詰まってる。ラインナップも音響も完璧。反省点としては雨具を加減するのは良くないということ。ポンチョ、長靴はフジロックに行くくらいの意気込みで揃えようと思った。

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来年は記念すべき20回目で豪華アーティストの出演が予想されるが、風力発電所建設で会場が変わってしまうらしい。ただ、ライブなんてほとんど観ずにテントでひたすらBBQやってる人を見るとちょっとやそっとで魅力が失われるようなやわなフェスではない気がしている。まだ二回しか参加してないけど。北海道で食べ忘れたものとして、スープカレーと串鳥があるので、来年はどうにかして制覇したい。

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