私を構成する9枚からこぼれ落ちたアルバム

少し前にツイッターで「私を構成する9枚」という企画が流行った。文字通り私を構成する9枚のアルバムを紹介するというものだ。私も選んでみたが、どうしてもかっこつけたような恥ずかしい気分になる。

ただ、この9枚は歳とともに更新されていく。更新されていくにあたって9枚という枠からこぼれ落ちてしまったアルバムのほうに自分らしさみたいなものを感じてしまう。

シフクノオト / Mr.Children

シフクノオト

シフクノオト

人生で初めて能動的に「音楽を聴く」ということをしたのはMr.Childrenのシフクノオトがきっかけだった。ラジオから流れてきた「PADDLE」を聴いて「こんなにいい曲がこの世に存在するのか!」と衝撃を受けてGEOに行ってCDを借りた。私の街にはTSUTAYAはなかった。このアルバムを聴いた後、「It’s a wonderful world」に出会ってなんとなくシフクノオトは聴かなくなってしまった。でもこのアルバムは今まで聴いたどのアルバムよりも一番思い出深い。

foo? / ポルノグラフィティ

foo?

foo?

私と同世代の人たちはロキノン系バンドにハマる前に一回ポルノグラフィティを通過していると信じている。「サウダージ」「ミュージック・アワー」はもちろんのこと「グアバジュース」「空想科学少年」が好きだった。『R.N「恋するウサギ」ちゃん』が分からない世代にも聴いてほしい。

創 / ACIDMAN

創

ACIDMANを知ったのはミュージックステーションだった。地上波の番組にはほとんど出ないロックバンドという触れ込みで紹介されていた。ラジオのチャート番組を追いかけるだけだった私には「これがホンモノのロックか……」みたいな気持ちになった。ACIDMANはスピリチュアルになっていくにしたがってあまり聴かなくなってしまったが、高校の部活の先輩(超絶美人)がACIDMANの熱烈なファンだったことを思い出す。

GAIA / Janne Da Arc

GAIA

GAIA

中学の時はロキノン系、下北沢ギターロックばかり聴いていたが、何かのはずみで高校のときはJanne Da Arcばかり聴いていた。勝手な印象だがJanne Da Arcはメジャー2ndアルバムの「Z-HARD」まではゴリゴリのV系で、3rdアルバムの「GAIA」から少しずつJ-POPに振れていく。ポップさとV系っぽさがちょうどいい塩梅で共存しているこのアルバムが個人的に最高傑作だと思う。私がキーボードが入ったバンドが好きなのはJanne Da Arcを聴いていた影響が大いにある。ギターのyouが微動だにせずバカテクギターを弾いているのも好き。Janne Da Arcは活動休止してしまい、私自身はAcid Black Cherryになんとなく馴染めなかった。いつか活動再開してくれることを祈っている。

Under The Iron Sea / Keane

Under the Iron Sea

Under the Iron Sea

高校時代、私は洋楽を聴く人がかっこいいと思っていた。ので無理矢理聴いていた。多分このアルバムはジャケットが好みだったのでテキトーにGEOで借りた。私の街にはTSUTAYAはなかった。サマソニで来日するという車内広告を見て、洋楽ばかり聴いて邦楽を馬鹿にするクラスメイトに対抗して「俺はこのバンド知ってるぜ」というアピールをしたことを覚えている。基本的に美メロが売りのバンドなのだが、シンセでゴリ押すこの曲が好き。

ハナミドリ / 藍坊主

ソーダ

ソーダ

高校のときにニコニコ動画の邦楽ロック隠れた名曲集みたいな動画で見つけた気がする。とにかくメロディーがよい。「ジムノペディック」でジムノペディをうまく活用していてセンスがいい。大学生活の最後に学祭ライブで観ることができてよかった。思えばあれが人生で初めてのまともなライブだったのかもしれない。

風景描写 / 音速ライン

風景描写

風景描写

下北沢ギターロックといえば、アジカンバンプの次に紹介されていた音速ライン。疾走感があってギターが歪んでたら最高だと思えていたあの頃に戻りたい。音速ラインは一曲が短いのが良い。それにともなってアルバムも短いのが良い。

夏雲ノイズ / スキマスイッチ

夏雲ノイズ

夏雲ノイズ

スキマスイッチの1stアルバム。「奏」が名曲として知られているが、「螺旋」「きみがいいなら」「君の話」にみられる女々しいというか狂気すら感じる女性への思いがめちゃくちゃポップなメロディーに乗せられている。練られたメロディー、歌詞から察するにマニアックな洋楽ポップスから影響を受けているかと思いきや、意外にもミスチルスピッツからの影響が大きいらしい。

朝顔 / レミオロメン

朝顔

朝顔

日本のロックはレミオロメンに任せた!そう思っていたときがありました。アジカンバンプレミオロメンが全員TOKYO FMの22:00からのラジオ番組に出たときはもうなんにも怖くなかった。「朝顔」は3ピースバンドの完成形みたいなアルバム。天気予報も違うくらい離れてしまったね……。


こぼれ落ちたアルバムというよりは今は聴かなくなってしまったアルバムになってしまった。