RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 2日目

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2日目のライブ

2日目は大雨ではなかったものの、降ってきては止み、止んだと思ったら降ってくるような微妙な天気でした。ただ、昼と夜の気温の差はあまりなく、例年に比べて暖かくてその部分では楽でした。地面は前日の雨で沼化している部分もあり、1日中長靴を履いてました。長靴最高。

緑黄色社会 @ def garage

最近気になるバンドの緑黄色社会から2日目のライブはスタートしました。関ジャムへの出演など、人気が急上昇中の名古屋の4人組バンド。おそらく次のアルバムで馬鹿売れすると思います。さて、ライブの方は、予想に反して最初から客を煽りまくる。MCも40℃の名古屋から20℃近い石狩にやってきたからなのか、テンションが高かったです。個人的には緑黄色社会は、ただただ良い曲を良い声で歌うところに魅力があると思っていたので、盛り上がり至上主義のようなライブは少し違和感がありました。ライブで盛り上がることを求めると曲もどんどん機能的になっていくし(近年のロッキンのような)、そういったところからはちょっと距離をおいてほしいなと思います。せっかくいい曲がたくさんあるので。リハで演っていた「大人ごっこ」が好きです。


緑黄色社会 / 大人ごっこ

大橋トリオ @ RED STAR FIELD

この時間帯はUNISON SQUARE GARDEN、OKAMOTO'Sなど注目アクトが目白押しでしたが、見たことない大橋トリオを見ることに。後ろの方でゆっくり見ました。大橋トリオの昨年のツアードキュメンタリーを見ていたので、バックバンドがその時と同じ、知っている人ばかりでなんだか嬉しかったです。野外で大橋トリオ聞くとたまらないですね。全員楽しそうに演奏していてRED STAR FIELDにぴったりでした。


大橋トリオ / 「タイミング」Lyric Video

折坂悠太 @ BOHEMIAN GARDEN

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毎年2日目の昼に体力がなくなります。セイコーマートのカツ丼食べたら胃もたれを起こしてこの時間帯は大変でした。夏フェスでカツ丼食べるもんじゃないです。おいしかったけど。一番和やかなステージで半分寝ながら折坂悠太を見ていました。とにかく歌がうまく、声量でもっていかれました。フォークとかロックと言うよりは民謡系?の歌唱な気がしました。音源は聞いたことがなかったのですが、近々出るらしい新譜は聞いてみようと思います。


折坂悠太 - さびしさ (Official Live Video at FUJI ROCK FESTIVAL 2018)

サニーデイ・サービス @ BOHEMIAN GARDEN

サニーデイ・サービスの時間は後半が山下達郎とかぶっており、最後まで迷っていました。とりあえず何曲かサニーデイ・サービスを聞いてから移動しようと思っていました。でも1曲目のbaby blueが鳴った瞬間、なぜか涙が溢れてきてそのまま最後まで動けませんでした。

僕は活動休止前のサニーデイ・サービスに対して特別な気持ちはありませんでした。サニーデイ・サービスのファンになったのは2016年のアルバム「DANCE TO YOU」を聞いてからです。旧譜も聴きましたが、「DANCE TO YOU」以外はしっくりこず、このアルバムばかりを聞いていました。最近のサニーデイは「DANCE TO YOU」以降の楽曲のみをライブで演奏するモードに入っており、完全に新バンドになったサニーデイをようやくライブで見ることができると期待してました。ところが、丸山晴茂(Dr)さんの訃報があり、一体サニーデイはこれからどうなるのか、どんなライブをするのかが不安でした。ライブ後のラジオの曽我部恵一さんのインタビューを聞くと、曽我部恵一さんも同じような気持ちだったみたいです。そんな中始まったライブでは、曽我部さんがインタビューで語っていた「お客さんに歌わされた」と言う言葉の通り、温かい雰囲気の中、感動的なライブでした。

往年の名曲と「DANCE TO YOU」の楽曲を続けて演奏したこのライブでは、どの時代の楽曲でもどこかに喪失感、暖かさ、パンクの精神があった気がします。今のサニーデイがどの曲を演奏しても「DANCE TO YOU」以降の"あの"空気感をまとってしまう、それはすべてのファンにとって喜ばしいことなのかどうかはわかりません。ただ、少なくとも僕はもっとサニーデイのライブをこれからも見たいです。どうか活動を続けてほしいと思います。


Sunny Day Service - 苺畑でつかまえて【Official Video】

山下達郎 @ SUN STAGE

サニーデイ・サービスを見終わってからSUN STAGEに走り、山下達郎を見ました。僕は山下達郎を完全にナメていました。すみませんでした。年齢を感じさせない歌声、激しく正確なギターのカッティングに酔いしれました。SUN STAGEが完全に巨大なディスコと化していました。クリスマス・イブが始まったとき、「この曲しか知らない」と言っていた若者たちが、その後のファンクな楽曲のメドレーで踊り狂っていたのは痛快でした。メンバー紹介で、いつの間にかいたコーラスの竹内まりやを紹介するのは反則です(ここが一番盛り上がったかもしれない)。


山下 達郎 LOVELAND,ISLAND

奥田民生 @ RED STAR FIELD

ライブ中酒飲んでるし、歌詞は全部iPad見てるし、MCはめちゃくちゃゆるい。でも曲が始まるとかっこよく歌い、ビシッとギターソロを決める。奥田民生になりたいです。最後「さすらい」1曲演って全分持っていくのはずるい。

EGO-WRAPPIN' @ RED STAR FIELD

ライジングサンでは21:00に花火が上がり、終盤戦がスタートします。今年は心なしか花火の数が多くなかったですか?21:00~の枠は激戦区なのですが、夜にRED STAR FIELDで見るEGO-WRAPPIN'が良くないわけがないということでEGO-WRAPPIN'にしました。くちばしにチェリーを演奏せず、新曲を2曲演奏するという攻めたセットリストでしたが、もはやどの曲をやるやらない関係なくめちゃくちゃ気持ちよかったですね。照明も相まって完全にトリップしました。EGO-WRAPPIN'はRED STAR FIELDで毎回ライジングに出てほしいですね。


EGO-WRAPPIN'『GO ACTION』LIVE

agraph @ RAINBOW SHANGRI-LA

23:00~RAINBOW SHANGRI-LAagraphのライブを見ました。agraphは近年の映画、アニメの音楽に引っ張りだこです。最近では「聲の形」「リズと青い鳥」の音楽が好きです。そんなこんなで楽しみにしていたのですがこのあたりで疲労がピークに達しており、立ちながら寝そうでした。ミニマルなエレクトロニカ・ノイズを聞くと、気持ちよすぎて立っているのがやっとになってきて、あまり楽しめなかったのが残念。今回は自分のコンディションがアレだったので、次の機会では頑張りたい(ライジングに毎回来てくれると思うので……)。


agraph - reference frame

曽我部恵一 @ TAIRA-CREW

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かなり疲れた体を癒やす意味も込めてTAIRA-CREWで弾き語りを聞くことに。TAIRA-CREWはキャンドル・ジュンプロデュースの幻想的な空間が広がっています。曽我部恵一さんもおっしゃっていましたが、夜はここが一番雰囲気いいと思います。TAIRA-CREWいっぱいに集まったお客さんの中、優しい歌声とミラーボールのキラキラとした光で胸がいっぱいになりました。


曽我部恵一BAND「キラキラ!」【Live】

GRAPEVINE @ EARTH TENT

少し休んで回復した体に鞭を打ち、EARTH TENTに向かいました。GRAPEVINEは今回の目当ての一つで、EARTH TENTのトリということもあり、期待していました。結果、期待を大きく上回る大満足。スロウ、光についてという定番の名曲に加えて、ライブがすごいCORE(モロにレディオヘッド)、隠れた名曲のエレウテリア、そして僕がGRAPEVINEで一番好きな曲のEveryman,everywhereまで演奏されたら、アンコールがなくても何も言うことはありません。完全優勝です。完全に1年をやりきった感がありました。報われました、僕の1年が。


Grapevine Everyman,everywhere

Base Ball Bear @ def garage

最後はスカパラに後ろ髪をひかれながら、Base Ball Bearでフィニッシュ。Base Ball Bearは色々あって今はスリーピースバンドになっており、バンドのグルーヴ感で魅せることができるバンドへ成長しています。特に3人になってからのThe CutはBase Ball Bearの代表曲になっていると思います。あのアレンジは盛り上がらないわけがない。ちょうど夜明け前に聞くyoakemae(3ピースではライジングで初披露)はグッと来ないわけがない。アンコールで聞くBREEEEZE GIRLは夏が始まらないわけがない。出し切りました。


Base Ball Bear - yoakemae

まとめ

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今年は例年にも増して疲れました。やっぱり雨はツラい。雨でも楽しめるけどツラい。2日目のベストアクトも非常に難しいですが、サニーデイ・サービスで。

ライジングサンは北海道で一番大きな音楽フェスという役割を担いながら、通好みのメンツを揃えたり、音楽ファンもそうでない人も納得できるようなフェスとして20回も開催しているのがすごいと思います。ロックに振り切らず、おしゃれ一辺倒でもないこの絶妙なバランス感覚が見事です。それでいてライブを一切見ずにひたすらバーベキューやってるような、ただそこで音が鳴ってて、それを聴いたりするという距離感があんなに大きなフェスであるところが好きです。現在の会場は開発が進んできて、永遠にあの場所で、というわけにもいかないかもしれませんが、どうかあの空気感だけは損なわずに続いてくれたらなと思います。あと、晴れてください。お願いします。